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ジオターゲティング広告はチラシの代替手段になりうるか  ~大手GMSがウェブ広告の効果を検証~

ジオターゲティング広告

「チラシを販促手段としてきたが、近年集客力が落ちてきた気がする。ウェブ広告にシフトしなければとは思うが、チラシをやめてしまうのは怖い」…長年、チラシで販促・集客を行ってきた企業からこうした声をよく聞きます。今回ご紹介するのは、これまでチラシのみで集客してきた某大手GMSが、実際にジオターゲティング広告(以下、ウェブ広告)を行った事例です。果たして、ウェブ広告はチラシの代替手段になりうるのでしょうか。

課題:若年層へのアプローチに危機感

今回ご紹介する事例は、全国に100店舗以上展開している大手GMSのT社です。これまでの集客方法は、ポスティングチラシのみ。ウェブ広告などのデジタルの施作は行っていませんでした。

同社の課題は、「従来行ってきたチラシでの販促力が薄れてきている」ということ。レジ通過人数が減少してきている印象がありました。 また、ポスティングチラシだけでは、若年層へのリーチが難しいということにも懸念がありました。若年層は、紙媒体よりもウェブ媒体の方が接点が多く、今後その潮流がますます高まっていくことは目に見えています。若年層に向けた情報発信手段として、 紙のチラシだけでは長期的にみて先細りは明らかだという危機感がありました。

これまで、チラシなどの紙媒体のみで販促をしてきた企業であれば、来店客数の増減はその配布チラシに帰着するしかなかったと思います。ただ、問題は、本当にそのチラシの効果だったのかどうかは分からないということ。さらに言えば、来店客と一口に言っても、性別、年齢、居住エリアなどさまざまな属性があるにも関わらず、どういった層にどの内容が刺さったのかということは測りようがありません。

配信方法:チラシのみ配布とチラシ&ウェブ広告で分類し効果測定

T社ではまず、全店舗を、A・Bの2つのグループに分けました。Aは従来のチラシとウェブ広告を8:2の割合で実施する店舗、Bは従来のチラシのみを実施する店舗です。

ウェブ広告の内容:チラシをベースに特売品を掲載

ウェブ広告は、紙チラシに掲載している中からいくつかの内容をピックアップして作成しました。 パターンは、衣料品なら子ども服、食料品なら精肉や日用品など、各カテゴリーの特売品を掲載した広告を複数用意し、どれがクリック率が高いかを測定しました。クリックすると、各店舗のウェブサイトのトップページに飛べるようにしました。

チラシの配布エリアは変更せず、ウェブ広告はチラシを配ったのと同じエリアの居住者をセグメントして配信しました。

測定方法と結果:チラシ削減でウェブ充填が高費用対効果

ウェブ広告が顧客の行動につながったかどうかの判断(コンバージョン:CVR)は、広告が表示された顧客が、実際に来店したかどうかで測定しています。上記の検証を行った結果、来店客数は前週比で下記のようになりました。

【各分類の店舗での週間来店客数割合】(前週比)

チラシに加えて、ウェブ広告を実施した店舗のAグループでは、Bグループに比べてレジ通過人数が増加しました。

【結論】ウェブ広告はチラシの補完策として活用すべし

今回の検証で着目したいのは、チラシの予算を削減した分をウェブ広告に置き換えて実施したため、チラシの予算を削減しながらレジ通過人数増につなげられたということです。ウェブ広告を導入したことで、費用対効果が高まったといえるでしょう。

「ジオターゲティング広告がチラシの代替手段になりうるか」については、チラシのみでも一定の効果が出ていることを見れば、「100%ウェブにする必要はない」といえます。その理由は、若年層など紙媒体ではリーチしづらい層がいる一方で、ウェブ広告ではリーチできない、紙媒体に慣れ親しんだ高齢者層などの顧客も一定数いるからです。特に、今回実施したGMSなど高齢顧客の多い業種では、ウェブ広告のみに振り切ってしまうと、既存の顧客を切り捨ててしまうことになりかねません。

「ウェブ広告を始めなければ」と焦る気持ちもよく分かりますが、従来チラシのみで集客を行ってきたという企業では、現時点では、デジタルを「チラシでリーチできない顧客向けの補完策」として活用する、クロスメディアで行うことが最適です。

大切なことは、紙に親しんでいるユーザーが年々逓減している一方で、情報をスマホで獲得するユーザーが増え続けているということです。いずれにしても、新規のユーザーを「育成する」というマーケティングの視点を持ち続けることが重要と言えそうです。

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